【司法試験、予備試験】論文試験突破のポイントPart4 (あてはめの攻略法)
こんにちは、やきなすです。
今回は、論文試験における「あてはめ」の攻略法を紹介します。
前回の記事では、あてはめの大前提として、論証の重要性をお伝えしました。
まだ論証がきちんと理解・記憶できていない方は、まず論証の理解・記憶を優先することをおすすめします(⇩)。
さて、基本的には、論証をきちんと理解し、記憶すれば、あてはめもある程度できるようになると思われますが、特に私が採用していたおすすめのあてはめ勉強法、
それは、
典型的なあてはめを論証とともに記憶してしまう
というものです。
「いやいや、あてはめは現場で問題文を読むまでできないでしょ・・・」
そう思われた方がいるかもしれません。
もちろんあてはめは、最終的には現場でしかできないものです。
しかし、あてはめを完全に現場任せにしてしまうのはリスクがあります。
基本的な論点には、必ず典型的なあてはめの仕方があるので、それを覚えておくことによって、当該あてはめに沿う事実をむしろ問題文から逆算的に拾っていくことが可能になります。
したがって、問題文を読んだときに、すぐに「この事実は、この論点のあてはめで使ってほしいのだな」ということが分かるようになります。
例を挙げてみましょう。
刑事訴訟法の捜査に関する問題では、よく
「当該捜査の必要性、緊急性、相当性があれば適法」
という規範にあてはめていく場合があります(職務質問での有形力行使の可否など)。
私は、以下のように、典型的なあてはめの型を記憶していました。
言葉でも説明すると、
必要性・緊急性については、
①○○という重大事件/最近増えてきている事件[事実]→早く犯人を検挙すべき[評価]
②○○だから甲の嫌疑は濃厚[事実]→甲を調べれば犯人検挙につながる可能性が高い[評価]
⇒必要性・緊急性あり[まとめ]
相当性については、
①拒んでいるor逃げている[事実]→本件のような手段もやむを得ない[評価]
②いきなり身体拘束をしたわけではない[事実]→権利利益の制約の程度は低い[評価]
⇒相当性あり[まとめ]
というイメージで、どういった事実を拾って、どういった評価をするか、典型例を記憶していました。
このように、あてはめでどういった評価をするかをあらかじめ頭に入れておくことで、
問題文の事実を逆算的に使えるようになります。
「強盗事件」という事実を問題文に見つけたら、
これは重大事件だ→犯人は早く捕まえないと!
「甲に似た人の目撃情報あり」という事実を問題文に見つけたら、
ということは甲の嫌疑は濃厚→甲を調べれば犯人検挙につながる可能性は高い!
といった視点で問題文を読むことができます。
もちろん、上記のような典型的な事実のほかに、当該問題文固有の特殊な事情がちりばめられていることがあります。
そういった特殊な事情も、典型事案のあてはめ方をしっかり理解してこそ、これに対応できるものと思います。
また、もっと言えば、そのような特殊な事情への対応ができるかどうかは、
合否のレベルでは関係ないというのが私見です(合格者のうち、上位かどうかを分けるというレベル)。
私は、常々、
「これだけ日々努力するのだから、現場の運の要素は可能な限り減らしたい」
と考えていました。
あてはめは現場次第と言って、何も準備しないで一発勝負にかけるのは不安過ぎたので、
とにかくできる準備はすべてして、現場でやらなければいけない部分を最低限にしたうえで、
現場での限られた時間は、現場でしかできないことに集中するようにしていました。
その意味で、典型的なあてはめの記憶は非常に有益ですので、
論文がなかなか書けずに困っている人は、ぜひ実践してみてください。
今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。
<今回の名言>
「特別なことをするために、特別なことをするのではない。
特別なことをするために、普段どおりの当たり前のことをする。」