【司法試験、予備試験】法的三段論法
こんにちは、やきなすです。
今日は、私の理解する法的三段論法について、簡潔にご説明したいと思います。
法的三段論法ってよく聞くけどどういうもの?
司法試験の勉強を始めると、ほどなくして耳にする言葉だと思います。
実際に、司法試験や予備試験の論文試験では、この「法的三段論法」に沿った答案の作成が求められます。
三段論法とは?
法的三段論法を理解する前提として、三段論法とは何か簡単に触れておきます。
三段論法とは、例えば、以下のような流れで結論を導く手法のことを言います。
(大前提):人はみないつか死ぬ。
(小前提):甲野太郎は人である。
(結論) :甲野太郎はいつか死ぬ。
法的三段論法とは?
法的三段論法とは、上記の三段論法の手法のうち、法律論に関するものをいいます。
例えば、以下のようなものです。
(大前提):人を殺した者は、殺人罪に問われる。
(小前提):甲野太郎は人を殺した。
(結論) :甲野太郎は殺人罪に問われる。
法的三段論法においては、一般的に、上記の
「大前提」に相当する部分を「規範」、
「小前提」に相当する部分を「あてはめ」
と呼びます。
したがって、司法試験や予備試験の答案では、基本的に、
「規範」→「あてはめ」→「結論」
に沿って、一つ又は複数の問題点を解決していくことになります。
具体的な科目ごとにどういう風に答案を作成していくべきかは、順にご紹介していきますが、
まずは、この法的三段論法の思考の癖を身に着けることが重要になります。
この三段論法の思考は、身近な生活の至る所に潜んでおり、
実はみなさんが普段何気なくしている決断一つ一つを厳密に分解してみると、三段論法に沿って決断をしているということもよくあると思います。
例えば、
「もう10時だから、いますぐ家を出ないと」
という何気ない発言であっても、
(大前提):目的地に予定時刻に到着するためには、10時に家を出る必要がある
(小前提):いまは10時だ
(結論) :いますぐ家を出ないと
という風に分解することができます。
「なんか当たり前のことを回りくどく言っているだけでは・・・?」
そんな風に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、
まさに、法律の論文試験で求められているのは、そのような
当たり前の三段論法をきちんと順を追って繰り広げていくこと
なのです。
もちろん、試験では、規範を導くまでに一定の問題を解決しなければいけなかったり、
あてはめが悩ましい(答えが複数あり得る)問題が出題されたりと、
一筋縄ではいかないものが多いです。
また、すべての事象に対して、詳細に三段論法を繰り広げていくには時間も紙面も足りなくなるため、メリハリも必要とはなります。
ですが、この基礎的な思考は非常に重要です。
ぜひ、みなさんも、普段の何気ない会話などが、三段論法になっていないか、意識してみてください。
それでも十分思考の訓練になると思います。
◆◆伊藤真が教える司法試験予備試験の合格法 / 伊藤真/編著 / 日本経済新聞出版社
今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。
<今回の名言>
「明日死ぬかのように生きよ。永遠に生きるかのように学べ。」