【司法試験、予備試験】論文試験突破のポイントPart1 (日本語の重要性)
日本語の重要性について
こんにちわ、やきなすです。
司法試験や予備試験の論文試験において、一番重要なことはなんだと思いますか?
私は、いかに分かりやすい日本語で文章が書けているかどうかだと思います。
司法試験と聞くと、とにかく「難関試験」であるというイメージがあると思います。
そのため、「何か高度な知識を披露しなければならない」とか、「難しいことを書かないと合格できない」という風に考えている方も多いのではないかと思います。
かくいう私も、受験勉強を始めたころは、そんな風に思っていました。
しかし、それは多くの受験生が陥る誤解です。
司法試験は、受験生の誰もが書けるような当たり前の知識を、誰が読んでもすっと理解できるような分かりやすい日本語で書けているかどうかで合否が決まります。
どんなに高度な知識が頭の中にあったとしても、それを試験の現場で表現できなければ意味がありません。
そして、論文試験という形式である以上、自分の頭の中の思考回路を答案用紙に分かりやすく記載することができなければ、合格することはできません。
私は、合格してから、受験生の答案を何通も読んで採点する機会がありました。
その時に改めて痛感したのが、日本語の重要性でした。
採点する側の立場に立ってよく分かりましたが、正直、何を書いているのかよくわからない答案は、あまり真剣に読む気が起こらないと思います。
これは法律の知識があるかどうかという以前の問題で、非常に重要です。
なぜ日本語がそこまで重要なのか、考えてみれば当然のことです。
それは、裁判官も検察官も弁護士も、正確な日本語を使うことが求められる仕事だからです。
何を言っているのかよくわからない判決では、納得できないに決まっています。
論旨がめちゃくちゃな起訴状で起訴されたら、たまったものではありません。
分かりにくい訴状や準備書面では、裁判官に相手にしてもらえません。
日本語の文章としておかしいアドバイスでは、依頼者はついてきてくれません。
したがって、法曹としての資質を問う司法試験では、何より日本語の分かりやすさ、正確性が大事になってくるのです。
◆◆司法試験論文解説と合格答案 平成29年 / 中央大学真法会/編 / 法学書院
分かりやすい論文を書くために
分かりやすい論文を書くために重要であると思うことを二点ほど紹介します。
一般的ではない表現を用いない
例えば、「この点」や「思うに」、「解する」といった用語が典型です。
少し法律論文に書き慣れてくると、つい上記のような言葉を使いたくなります。
やたらとこのような表現を使っている答案をよく見ますが、これらの言葉は司法試験の採点実感等でも批判されていた気がします。。
「この点」や「思うに」は、文章の冒頭に接続詞的に使う方が多いですが、使わなくても意味が通ることがほとんどですので、私は何もなく始めるか、どうしても気持ち悪いときは、「そもそも」に置き換えていました。
また、「解する」→「考える」に置き換えていました。
些細な点ですが、なるべく一般的に通用する表現を用いてください。
そのほかにも、「しかし」や「もっとも」などが何度も曲折するような表現は避けたほうがいいです。
答案を友人や家族に読んでもらう
分かりやすい論文を書くために、できるだけ自分以外の人に答案を読んでもらうとよいと思います。
司法試験に合格した人で頼める人がいたらベストだと思いますが、もちろん勉強仲間で見せ合いっ子をするというのでもいいと思います。
また、意外と法律に詳しくない家族などに読んでもらうのも、自分の日本語を見つめなおすきっかけになるかもしれません。
私はかつて兄弟に答案を見せたところ、「ここ、何言っているのかわからない」(法律用語ではない箇所でした。)と言われ、日本語にこだわらないとだめだと気付く契機になりました。
◆◆司法試験予備試験論文本試験科目別・A答案再現&ぶんせき本 平成29年度版 / 辰已法律研究所
答案は試験委員へのラブレターだ、などとよく言われます。
本当にその通りで、採点者である試験委員に、心を込めて、読みやすい日本語で表現することを心掛けましょう。
それができるように訓練することが、論文の勉強の第一歩ともいえます。
その他の論文合格のポイントも順に公開していければと思います。
今回の記事が少しでも皆様の参考になれば幸いです。
◆◆伊藤真が教える司法試験予備試験の合格法 / 伊藤真/編著 / 日本経済新聞出版社
今回の名言
「今日も、生涯の一日なり。」
私も今日という日を大切に生きていきたいと思います。